感性について

「鯉のぼり」という民謡があります。「屋根より高い・・・」ではない方です。著作権も切れていると思うので、歌詞の一番だけ載せますね。
「いらかの波と雲の波
重なる波の中空を
橘かおる朝風に
高く泳ぐや鯉のぼり」

いらかとは、瓦のことです。今でも屋根が瓦でできている家がありますが、あれが波のように見え、また上を見上げるとそこでもまた雲が波を成している、ということですね。「いらかの波」、言われてみれば確かに波に見えますが、日頃からよく周りを眺め、いろんなことを考えている人でないと普通はそんなことには気づけないと思います。よっぽど感性豊かな人なんでしょうね。この作詞者が不明なのを非常に残念に思います。こういう素敵な作品があったらもっと知りたいなあと思いました。詩の本も何冊か買ったり借りたりしていま、読んでいます。

感性は、何も芸術だけにとどまらず、学問の研究の世界でも活きてくると思いますね。
例を挙げると、ついこの間微生物に関する本を買ったんです。

www.amazon.co.jp

曰く、そこらへんの土をスプーンで一杯すくうと、その中には微生物が50億〜100億ほどいるらしいんです。

僕は、まあそれくらいかなあ、と流してしまったんですが、筆者は「このスプーン一杯の土の中に、地球のような世界が広がっている!」と言うんですね。現在の世界の人口が70億ですからそれと同じくらいですし、微生物と一口に言ってもその種類は数え切れないほどあるわけで、それだけの数がいたらその環境を維持するために色々な工夫や相互作用があるはずだと。こういう捉え方もあるんだと思うと、とても面白く感じてきませんか?僕はすごく興味が湧きました。

こういうことに気づけることが、感性なんじゃないかなと思います。当たり前のことに対して、どれだけ豊かな捉え方ができるか。知識があれば良いというものでもないですよね。感性を磨きたいなぁって思いました。